Beatlesのラストライブを止めた警察官

RooftopでのJohnとPaul、後ろにRay Dagg氏 ARTIST
RooftopでのJohnとPaul、後ろにRay Dagg氏

1969年1月30日、伝説的なRooftop ConcertがApple Core屋上で行われた。
ゲリラライブ的なものなので、演奏が始まったら当然近隣住民や店、会社からの苦情・通報が殺到した。

現場に向かった新人警察官

通報を受け現場に向かった19歳の新人警察官Ray Dagg氏はApple社に向かう。
対応したロードマネージャーのMal Evansが時間稼ぎのため色々説明を繰り返す。
しかし、Dagg氏はしびれを切らし「屋上に行かせないのであれば逮捕する」と警告。
結局中に入ることができ、屋上に向かう。

19歳当時のRay Dagg氏
19歳当時のRay Dagg氏

Dagg氏は受付の鉢植えにカメラが仕掛けてあったり、マジックミラーが設置されているのに気づき、何らかの撮影が行われているのではないかと思っていた。

屋上でのもめごと

屋上でDagg氏はMal Evansから説得はされる。
しかし、彼は「これ以上続けるなら公務執行妨害および道路不法占拠の容疑でBeatles全員を逮捕する」と警告。

MalはGet Backを演奏中のメンバーに声をかけアンプの電源コードを抜いてしまう。
すぐメンバーはコードを差し直し演奏を再開す。
Dagg氏はMalの説得によりあと1曲で終わらすことを許した。
映画でも最後やり直しのGet Backを始めた途端にDagg氏がうんざりしているような表情のシーンありましたよね?(うろ覚え)

Ray Dagg氏とMal Evans
Ray Dagg氏とMal Evans

Get Backの終わり際にPaul McCartneyは「You’ve been playing on the roofs again, and you kyou your Momma doesn’t like it. she’s gonna have you arrested!」と警察をからかう即興の歌詞で歌っている。

RooftopでのJohnとPaul、後ろにRay Dagg氏
RooftopでのJohnとPaul、後ろにRay Dagg氏

新人警察官のその後

数年前の映画「Get Back」公開後、Dagg氏はファンから注目されるようになった。
映画「Let It Be」の時から注目されていた人だったが、素性が明らかに。
彼のFacebookアカウントに大量の友達申請があったり、誹謗中傷もあったようだ。

最近のRay Dagg氏
最近のRay Dagg氏

Dagg氏は今年77歳になる。
元々Beatlesファンではなかった。
Simon & GarfunkelのファンでBeatlesのレコードは持っていない。
Beatlesのイメージはちょっと年上の騒がしい兄ちゃんとのこと。
当時、屋上に行くまではBeatlesがいるとは思っていなかったようだ。

この件があってから6年後に退職。
彼は仕事内容や給料面の不満・自分には他にできることがあるという理由。
その後数社を経て役職に就くまでになったが、Beatlesのことは一切話さなかった。
彼が注目され元同僚や後輩たちはあの厳格なDagg氏にそんな過去があったことに驚いている。

今だから明かせられる事実

Dagg氏が当時警告した内容に関してはただの脅しと説明している。
法律上私有地内での騒音問題で逮捕することはあり得ないとのこと。
「当時血気盛んだった自分はBeatlesを逮捕する気は満々だった。実際やると不当逮捕として大事になる。」
それをAppleの面々はわかっていなかったようで結局あっさりライブを中止にできたようだ。

彼は当時のことは後悔していない、仕事としてやってだけと話す。
「何百人という人が誰にも覚えられず人生を終える中、Beatlesの最後のライブを止めた警官として映像に残り、人々に記憶されるなら、それは決して悪い遺産ではない」とも話す。

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