意外に知られてない音楽スポットとそこのアーティスト達

Jimi Hendrix and Johnny Winter at The Scene

ブロードウェイの劇場が集まるマンハッタンのシアターディストリクト。
西46丁目301番地にあったナイトクラブ「The Scene

The Scene
The Scene

The Sceneってどんな店?

ツイスト発祥の地で有名なディスコ「ペパーミントラウンジ」。
そこで働いていたSteve Paulが1964年にオープンさせた。
当初はブロードウェイの俳優や劇場関係者向けのクラブとして営業していた。
その後、1966年頃から音楽演奏に重点を置き大評判となる。

当時出演していたアーティストは…
The Doors、Janis Joplin、初期のPink Floyd、Velvet Underground、Jimi Hendrix、Fleetwood Macなど。
1960年代後半から70年代のロックを語るには欠かせないアーティストばかりだ。

The Doors at The Scene
The Doors at The Scene
Pink Floyd at The Scene
Pink Floyd at The Scene

Steve PaulとJohnny Winter

オーナーのSteve Paulは1968末頃ローリングストーン誌で気になる記事を見つけた。
テキサス出身のアーティストを紹介する記事だった。
だが、締めくくりの一文に注目した。
「Janis Joplinが出た後、注目すべきアーティストJohnny Winterを忘れてはならない」。

100万ドルのブルースギタリストの実態

無名のアーティストをわざわざ紹介するくらいだからすごい人に違いない!
彼はすぐテキサスに向かい、Johnny Winterを見つけ出した。
彼に自分をマネージャーにしてくれと説得して一緒にニューヨークに戻る。
同じ頃に雑誌の記事で存在を知ったレコード会社数社の争奪戦に展開する。
結局コロンビアレコードの100万ドル(当時の3億6000万円)で契約し、デビューとなった。
破格の契約料はかなり話題になったが、実際の契約料は60万ドル。
レコーディング費用や車、家、楽器や機材に注ぎ込んで結局手元に残ったのは1000万円弱と後のインタビューでJohnny Winterは答えている。

Johnny WinterとJimi Hendrix

Jimi Hendrix and Johnny Winter at The Scene
Jimi Hendrix and Johnny Winter at The Scene

で、話は戻す。
ニューヨークに連れてこられたJohnny WinterはSteve Paulの店The SceneでJimi Hendrixと出会う。
店で一緒にセッションするが、Jimi Hendrixは彼のギタープレイを見て尻込みしてベースに持ち替えてしまう。
やっと2人でギターを弾くことになった。
だが、ソロのパートになると「どうぞ、どうぞ」「いや、あなたこそどうぞ」みたいなやり取りになってしまう。

Johnny Winterはインタビューで「凄いギタリストなのにオレは気を使われてばかりいたよ。Jimiのプレイもちゃんと聞きたかった」と回想する。

The Sceneの客

Ron Wood appears behind of Jimi Hendrix at The Scene
Ron Wood appears behind of Jimi Hendrix at The Scene

それと、Jimi Hendrixはこの店でよく出演していたが常連客でもあった。
Jeff Beckはここで彼と何度か接触している。
イギリスのP.P. Arnoldの家で彼と一緒に同居していたRon Wood来店した。
彼の演奏中にアンプの後ろから覗いてる姿を写真に撮られている。
Jimmy Pageは彼に会いたくてこの店に行って話しかけようと試みた。
しかし、彼はクスリでキマっていた状態で友人達に担がれ店を出てしまった。
結局彼とは話せずじまいだったようだ。

終焉

しかし、そんなナイトクラブThe Sceneは1969年7月12日に閉店した。
Velvet UndergroundのギタリストSterling Morrisonが証言している。
Steve Paulがマフィアに用心棒代を支払うのを拒否した。
そのため、嫌がらせとして店内で暴力行為を繰り返されたことが原因のよう。

Steve Paulのその後

Steve Paulはその後Johnny Winterをメインに色々なアーティストのマネージャーとして専念する。
1973年にはBlue Sky Recordsを設立。
1983年にJohnny Winterと袂を分かち、レコードレーベルの活動を停止する。

晩年はブロードウェイ関連ね仕事やナイトクラブのプロデュースを手掛けていた。
しかし、2012年10月21日原因不明の病により71歳で死去。

Steve Paul
Steve Paul

The Sceneのミステリー

2003年、The Scene跡地に建設作業員が身元不明の白骨○体を発見し、当時の警察の調べでは進展がなかったが、20年後捜査技術が向上した流れで再捜査を行なったところ、身元が判明。
The Scene関係者と結婚していたとされる当時16歳の少女だったのこと。
死亡推定時期が1969年ということまでは判明したが経緯に関しては未だ謎。
この時期はThe Scene閉店と重なる。

Jimi HendrixとJohnny Winterのセッション音源

Jimi HendrixとJohnny Winterのセッション音源がある。
Guitar Slimの代表曲「Things I Used To Do」として残されている。
この2人とJim Morrisonのセッションもあると言われているがJohnny Winter本人がJim Morrisonとは会ったことがないと否定している。